夜空を見上げて

2012オーロラ旅 その4


※写真にマウスを合わせると解説が表示されます。


 4日目の朝。前夜降り始めた雪が気になっていたので、目覚めるとすぐに外を見ました。案の定、一面真っ白。この日の夜と翌日の天気が心配。でも、いくら心配したってどうなるものでもないし、気を取り直して散歩に出かけることにしました。
 交差点を渡ろうとして、ふと思い出しました。イエローナイフでは大きな交差点以外は信号機がありません。その代わり、この街に住むドライバーは、交差点で歩行者を見ると必ず停まってくれるのです
以前来たとき、グレートスレーブ湖にある氷の道(通称・アイスロード)を隣町まで行こうと歩いていたら、車が時々停まって「乗れ」と言います。「優しい人たちだな」と思いながらも、「ウォーキングしているから」と断ると、しきりに首をかしげていました。
 後になって知ったことですが、冬の間は寒いから散歩する人が、ほとんどいないらしい。なのに、街中ならまだしも、アイスロードを歩いているから、散歩が信じられなかったようです。
 食事のあとは住宅街も歩きました。でも、天候は回復しないまま。早めに夕食を取り、夜に備えて眠りました。

 目覚めて再び窓の外を見ると、星が出ている! しかもオーロラが出ている!!!
宿泊しているエクスプローラー・ホテルは高台にあるので眺望が良く、オーロラを部屋から観ることだってできるのです。急いで電気を消し、ベッドに寝そべって北から南に流れていく「それ」を観ました。まだ午後7時だというのに、激しい動きをしています。「今夜は絶対に凄いことになる!」。そう確信し、機材をリュックに詰めて、9時に迎えに来るバスを待ちました。

 現地に着くと薄い雲が広がっていましたが、前夜に雪が降っていたことを考えれば、まずまず。肝心のオーロラは、意外にも北の空に張り付いており、前夜までと変わらない感じです。でも「今夜は違う」と信じてカメラを設置しました。
 オーロラは時折、南に移動していきます。しかし、待てども、待てどもブレイクアップの兆しがありません。2時間以上経過したとき、突然、一筋の光が南東から南に向かって伸びました。過去、強烈なオーロラ・ブレイクアップを観た時と同じ前ぶれです。
「ついに来た!」
 オーロラは、揺らめきながら少しずつ長くなり、だんだん激しい動きになりました。空の南側半分で大暴れし、一息つくと西から東にかけて、ひときわ濃い帯が出現するのです。文字通り、龍のような姿にすっかり目を奪われてしまいました。
その後、光の帯は、真上に見える北斗七星の側から、放射線状に拡がって見える「コロナ・オーロラ」に変貌しました。
「凄い! 凄すぎる!!」

 オーロラとは、太陽から飛んできた粒子が地球の大気に衝突し、発光する現象です。「ブレイクアップ」のときは、蛇口をひねったように溢れ出します。始まりから終わりまで約50分間ありました。こんなに長いブレイクアップは、過去にも数えるほどしかありませんでした。「今日、この場に居られただけで幸せだ」…。

 この夜のオーロラ・ブレイクアップは円周魚眼レンズを使い、デジタルカメラで5秒露出し連続撮影したもの(の一部)を動画風にしてみました。画面下の南側から始まり、オーロラが全天に拡がる様子をご覧ください。

 (星空案内人 Jz)

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]