夜空を見上げて

2012オーロラ旅 その1


急にオーロラを観に行くことになりました。ウキウキしながら旅行会社に行くと、お目当てのカナダ・イエローナイフへのツアーはすべてキャンセル待ち…。がく然としつつも、仕方なくアラスカ、北欧、アイスランド、グリーンランドなどへのツアーを探しました。しかし、晴天率や現地の条件などを調べれば調べるほど、イエローナイフの良さが際立ちます。

「どうしてもイエローナイフへ行きたい!」。

行き先を決めなければいけない日が近づき、焦り始めた頃、旅行会社から連絡がありました。「イエローナイフへのツアーが確保できましたよ」。ホッとしつつ、機材一式、いつもの防寒着、いつもの極寒地用ブーツを準備して出発の日を待ちました。

福岡から成田、バンクーバー、カルガリーと飛行機を4回乗り継ぎ、訪問6度目となるイエローナイフに到着しました。また来ることができただけでも嬉しい。この地を確認するために、到着早々深呼吸して、胸いっぱいに現地の空気を体に入れました。

前回来たときは、預けていたはずのスーツケースがイエローナイフの空港で出てきませんでした。見つかるまでの4日間、防寒着などが無く苦労しました。今回は荷物をスーツケース2つに分け、そのうち1つでも届けば何とかなるよう備えました。でも何事もなくひと安心。ホテルに到着すると、さっそく荷物をほどき、オーロラ観測の準備を開始。ツアーのバスが迎えに来るまで時間が少ないので焦ります。しかし、焦って汗をかき、その状態で外に出ると汗の水分が凍り体が冷えてしまう。コツは機材の準備を先にして、ホテルから出る直前に防寒着を着ること。ホテルの内と外では、気温差が50度以上もあるのです。

オーロラを観察する施設までバスで移動する30分間、全く落ち着きませんでした。オーロラを早く観たい気持ちが強いのに、時間が限られているからです。(実は、カルガリーからの飛行機が1時間半遅れたため、この日オーロラを観る時間もその分減ってしまった)。出発前、準備の時間が十分取れず、カメラ3台のうち1台と、レンズ4本のうち2本は買ったままでテスト撮影すらしていない。そんなこんなで落ち着きませんでした。

オーロラ観察用の施設は、湖のほとりにあり、大型のティーピー(テント)が並んでいます。ティーピーには暖房設備があって冷えた体を温めることができます。毎日約200人の日本人が、ここを訪れて夜空を見上げているのです。この日はマイナス25度。以前、1月に訪れたときは、滞在中の5日間、連日マイナス40度を下回ったことがあったので、私にとっては余裕の気温です。凍った湖の上を人がいない所まで歩き、カメラを設置しました。

5年ぶりのオーロラ!。

出ているものの、ぼんやりとしていて色が確認できない。でも、薄くても写真に撮るとエメラルドグリーンがしっかり写るはず…。1時間くらい観ていたら一度だけエメラルドグリーンになり、オーロラのカーテンが揺らめきました。この日はそれだけでしたが、オーロラに出合えたことで、やっと落ち着きを取り戻せた気がしました。

よく、「本当に見られるの?」「運次第では?」と聞かれます。実はオーロラは、晴れていれば必ず見ることができるのです。ただ、どの程度のオーロラを見ることができるのかが問題なのです。この夜のものは白い雲のような感じで、必ず見られるオーロラだったので、私の中の5段階評価で言うと、最低の「1」。色とりどりの鮮やかなカーテンが空を覆い、舞う「オーロラ爆発」といわれる現象に出合えるか、それこそが「運」なのです。

 (星空案内人 Jz)

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