紙面から

【ココ・カラ Teens】高校生の商品開発

2014年10月03日 17:09

「おりこうカレー」を手にする折尾高校の生徒たち
「おりこうカレー」を手にする折尾高校の生徒たち
 おかしや化しょう品など、高校生が作った商品を手にしたことはあるかな? 農業や水産系(けい)の高校の生徒が農水産物や加工品を作って売ることは多かったが、商業や家庭科系の高校でも商品開発に取り組むところが増(ふ)えているという。プロではない高校生がどうやったら、み力的な商品を作れるのだろう。その秘(ひ)けつを探(さぐ)った。(床次直子(とこなみなおこ))

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■地域の支えで育つ自信

 「鶴翔(かくしょう)高校(鹿児島(かごしま)県)のぶたみそコロッケ、残り少なくなってます。どうぞ、いらっしゃい!」

 8月23、24の両日、福岡(ふくおか)市の博多阪急(はかたはんきゅう)で開かれた高校生の商品販売(はんばい)イベント「第3回うまちか!甲子園(こうしえん)」では、生徒が元気よく、こんな声をはり上げた。

 会場の食料品売り場に出店したのは九州各地から集まった17校。手作りのおかしや、そうざいなどが並んだ。このイベントは2年前に始まり、参加校が年々増加(ぞうか)。博多阪急によると、高校生の商品は地元食材を使ったものが多く、質(しつ)が高いのに値段(ねだん)が手ごろで、お客さんに人気だという。

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 以前から、農業や水産系の高校の多くは商品を作って売っていた。さらに、昨年度から本格実施(ほんかくじっし)された新学習指導要領(しどうようりょう)で、商業と家庭科系の高校では商品開発を学ぶことになった。

 ヒット商品の一つが、佐賀(さが)県の唐津(からつ)商業高校の「松(まち)ゅらる」シリーズだ。地元の「虹(にじ)の松原」にちなみ松エキスを配合した化しょう水などに加え、県産のタマネギを使ったドレッシングを2年前に開発。1本売れるごとに10円を東日本大震災(しんさい)の被災地(ひさいち)へ寄付(きふ)し、コンテストでも入賞した。

 しかし、み力的な商品作りは簡単(かんたん)ではない。ある高校では基そ的な学習が不十分だったため、作った食品がほとんど売れなかった。高校9校で商品開発を指導し、その商品を販売する福岡市の会社「はかた本舗(ほんぽ)」社長の黒木正剛(くろきせいごう)さん(55)は「ノウハウがなく困(こま)っている学校も多い」と話す。

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 では、どうしたらいいか。ヒントを求めて、北九州(きたきゅうしゅう)市の折尾(おりお)高校を訪(たず)ねた。同校の生活デザイン科の3年生が昨年9月、レトルト食品「おりこうカレー」を発売し、これまでに約2万箱が売れる人気ぶりなのだ。

 このカレーは同校に長年伝わるレシピを基(もと)にし、30品目の具材入り。担当(たんとう)の石田亮子(いしだりょうこ)教諭(きょうゆ)によると、生徒たちは、黒木さんのアドバイスを受けながら努力を重ね、商品化にこぎ着けた。

 まず、班(はん)に分かれて話し合い、いろいろな商品のアイデアを発表した。カレーに決めた後も、商品名やデザイン、キャッチコピーを考え、試作をくり返し完成。大人の会社のように、社長や販売部長などを決め、PRにも努めた。昨年の3年生(現在(げんざい)は短大生)の門司彩佳(もんじあやか)さん(18)は「お客さまに喜んでもらえるものを作ることが大切だと分かった。意見をまとめるのは大変だったけど、みんなが協力してくれた」とふり返る。

 石田教諭は「成功したのは、生徒を温かく見守り、地元のお祭りなどで販売の機会をくださった地域(ちいき)の支(ささ)えのおかげ」と言う。黒木さんは「地元の素材(そざい)を使い、地元で売り、売れると素材が有名になる。高校生の商品開発は地域との連けいが重要」と強調した。

 学校だけでなく、地域とともに進める商品作り。高校生たちは、やりがいを感じ、自信をつけている。

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=2014/09/04付 西日本新聞朝刊=

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