紙面から

【特集】よく分かる参院選挙

2013年07月11日 19:23

国会議事堂。向かって右が参院、左が衆院
国会議事堂。向かって右が参院、左が衆院
 4日に公示(こうじ)された参院選挙。昨日の選挙検定(けんてい)に続いて、きょうも選挙の特集です。この選挙をきっかけに、政治(せいじ)の制度(せいど)や選挙の仕組みがどうなっているのか、みんなで考えてみましょう。

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 参議院の制度や役割
 法律に欠点があれば直す 3年ごとに半数を決める

 みんなが社会で生活していくうえで、守らなければならないルールを法律(ほうりつ)といいます。法律は、国会というところで国会議員が話し合ってつくります。国会には衆院(しゅういん)と参院があり、国会議員も衆院議員と参院議員がいます。参院は、衆院で話し合った法律の内容(ないよう)に欠点があれば、良くなるように直す役割(やくわり)があります。参院議員を決める方法が参院選挙です。
 今回の参院選挙は4日に立候補(りっこうほ)を届(とど)け出て、21日に投票が行われます。安倍晋三(あべしんぞう)首相が、生活をよくしようと力を入れている「アベノミクス」という考え方などについて、候補者たちが意見をのべ合って選挙運動をしています。
 参院議員になりたい人は選挙管理委員会(せんきょかんりいいんかい)に立候補を届け出ます。立候補した人は「こういう社会にしたい」という考えを公約として発表して、「賛成(さんせい)なら投票用紙に私(わたし)の名前を書いてください」と、選挙運動をします。多くの人に投票してもらうと、当選して議員になれます。
 投票できるのは20歳(さい)以上で、参院議員になれるのは30歳以上です。参院議員の数は242人で、3年ごとに半分の121人が選挙で決まり、当選すると6年間働きます。
 国会では法律だけでなく、首相になる人を決めます。衆院議員と参院議員の意見が違(ちが)った場合は、衆院議員の決定通りになります。役所が1年間に使うお金の使い道や外国との約束についても、衆院の決定が優先(ゆうせん)されます。それ以外は同じです。

 法律をつくる・変える
 過半数取ればねじれ解消 憲法変えるには3分の2

 どんな社会にしたいかという目標が同じ人たちの集まりを政党(せいとう)といいます。政党はいくつもありますが、ほとんどの国会議員はそれぞれ政党に入っています。
 国会議員は、自分や自分の政党が目指している考えを実現(じつげん)するため、新しい法律(ほうりつ)をつくったり、今の法律を変えたりします。国会には衆院(しゅういん)と参院があるので、衆院議員の人数の半分を超(こ)える過半数(かはんすう)の賛成(さんせい)と、参院議員の過半数の賛成が必要となります。
 このため、政党は法律をつくったり、変えたりしやすいように国会議員をふやして、衆院と参院の両方で自分たちの議員の数が過半数となるように努力します。参院議員の数は242人で、過半数は半分を超える数ですから、参院では122人になります。
 安倍晋三(あべしんぞう)首相が入っている政党と仲の良い政党の議員の数を合わせると、衆院では半数を超えていますが、参院では超えていません。これを「ねじれ国会」とよんでいます。ねじれていると、法律をつくることなどがむずかしくなります。それで安倍首相は「参院で過半数を取ってねじれを解消(かいしょう)したい」と言っているのです。
 また、安倍首相は憲法(けんぽう)を変えたい考えです。でも、憲法はみんなの権利(けんり)を守る「最高法規(ほうき)」で、簡単(かんたん)には変えられない仕組みになっています。
 法律は衆院と参院とでそれぞれ過半数の賛成で変えられますが、憲法を変えるためには、まず衆院と参院とでそれぞれ3分の2以上の議員が提案(ていあん)しなければなりません。
 このため、安倍首相は自分の政党と仲の良い政党の参院議員を合わせた数を、全体の3分の2以上にしたいとも話しているのです。

 初めてのネット選挙
 いろいろな情報が分かる 本当かどうか確かめよう

 今回の参院選挙から、選挙に立候補(りっこうほ)した人や政党(せいとう)などがインターネットを使って、選挙運動ができるようになりました。日本では初めてのことです。選挙にあまり関心のない若(わか)い人たちに、選挙に興味(きょうみ)を持ってもらい、投票に行ってもらうのが目的です。
 これまでは「こうしたい」「こうします」といった公約を印刷した物を配ることはできましたが、ネットを使って新しい情報(じょうほう)をのせることは認(みと)められていませんでした。しかし、ネットを使う人がふえたため、選挙のルールを変えました。今回の参院選挙からは、候補者(こうほしゃ)や政党が自分でつくったホームページで投票の前の日まで選挙運動ができます。
 それから、動画(どうが)や日記のようなブログ、短い文章のツイッター、おたがいに情報を交換(こうかん)するフェイスブックなどを使って、候補者や政党は自分たちに投票するようにお願いすることができます。
 スマートフォンを持っていれば、いつでも候補者や政党について、いろいろな情報を知ることができます。公約で分からないことがあれば、ネットを使って候補者に聞くこともできます。
 ただし、問題もあります。候補者のふりをしてネットでいたずらをする人がいるかもしれません。にせの候補者の言葉を見た人が信じてしまい、投票するのをやめてしまうかもしれません。また、ホームページにたくさんの情報をのせようとすると、お金がいっぱいかかってしまいます。
 ネットの情報が本当なのかどうかを確(たし)かめるのは簡単(かんたん)ではありません。新聞やテレビ、ラジオも見たり聞いたりして、情報をくらべてみることが大切です。

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=2013/07/11付 西日本新聞朝刊=

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