紙面から

「オーヴォ」衣装のひみつ

2015年04月03日 18:54

カラフルでユニークな衣装も楽しいオーヴォ
カラフルでユニークな衣装も楽しいオーヴォ
 アリ、コオロギに、テントウムシやハエもいる。小さな生き物の世界をユニークに描(えが)いた「シルク・ドゥ・ソレイユ」の日本公開最新作「ダイハツ オーヴォ」。舞台(ぶたい)では、アーティストたちの華麗(かれい)なアクロバットが目を引くけど、カラフルでかわいい衣装(いしょう)も見のがせない。福岡(ふくおか)公演(こうえん)を支(ささ)える衣装チーフのスティーブ・アームストロングさん(38)に、衣装のひみつを聞いたよ。

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■素材・色に工夫とこだわり

 スティーブさんは、福岡公演で8人いる衣装担当(たんとう)チームのリーダーだ。「アーティストたちが演(えん)じる虫の『ひふ』を管理しています」とスティーブさん。

 衣装は1人のアーティストに4着ずつ。ぼうしや、くつなどもふくめ、すべてシルク・ドゥ・ソレイユの本社があるカナダ・モントリオールの工場で製作(せいさく)している。一人一人の体にぴったり合うようにデザインされていて、それぞれにアーティストの名前や公演名などを書いた布製(ぬのせい)のタグ(札)がぬい付けてあった。

 スティーブさんは「一番大切なのはアーティストがけがをしないこと。そのために生地(きじ)の素材(そざい)にはこだわっている」と話した。

 舞台で激(はげ)しい動きをする緑色のコオロギの衣装をさわらせてもらった。のびちぢみするやわらかい素材で、関節部分にはサポーターが入っていた。取り外しができる足の部分は軽いプラスチックでできていた。コガネムシなどの力強い演技(えんぎ)を見せるアーティストの衣装は、筋肉(きんにく)を補強(ほきょう)し、こしなどを痛(いた)めないよう、あまりのびない素材でできているそうだ。

 スティーブさんは、昔スノーボードをやっていて、衣装作りでは体の動きに合わせたデザインをアドバイスしている。公演のシナリオを理解(りかい)し、たくさんの本も参考にしている。オーヴォでは、虫の外見をそのまま衣装にするのではなく、細かい特徴(とくちょう)をつかんだ上で独自(どくじ)の色を決めたり、工夫(くふう)を加えたりしたそうだ。

 スティーブさんが、もう一つ大切にしていることが環境(かんきょう)のことだ。以前は傷(きず)ついて着ることができなくなった衣装は捨(す)てることが多かったが、今はメンテナンスに技術(ぎじゅつ)とお金を注ぎ、できるだけ長く使い、ごみが出ないように努めている。「物を作る人間だからこそ、大事にしなければならないこと」と話していた。

 カラフルな衣装には、たくさんの人の手や、さまざまなアイデアがつまっている。そう思うと、もっとオーヴォのことが知りたくなった。

■わキャッタ!メモ

 ダイハツ オーヴォ 世界的エンターテインメント集団(しゅうだん)「シルク・ドゥ・ソレイユ」(本部・カナダ)の日本公演最新作で、シルク初の女性演出家(じょせいえんしゅつか)が描いたファンタジー作品。カラフルでかわいい生き物たちが暮(く)らす草花の下を舞台に、突然(とつぜん)現(あらわ)れた「オーヴォ」(ポルトガル語で「卵(たまご)」のこと)や、恋(こい)の行方(ゆくえ)をめぐる物語が展開(てんかい)される。大きな果物を集団でいっせいに回す足わざや空中ブランコ、壁面(へきめん)を使った空中曲芸など、手に汗(あせ)にぎる演出(えんしゅつ)が見どころだ。

 福岡(ふくおか)市東区の福岡ビッグトップ(筥崎宮(はこざきぐう)外苑(がいえん))で、4月5日まで。入場料はSS席=大人1万2500円など(土日祝日の公演は各席1000円増(ま)し)。福岡公演チケットセンター=092(714)0159。

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=2015/03/14付 西日本新聞朝刊=

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