紙面から

【おしごと拝見】犬の美容師トリマー

2013年06月15日 16:44

犬に話しかけながらはさみを動かす梅崎史緒里さん
犬に話しかけながらはさみを動かす梅崎史緒里さん
 犬の毛をすっきりおしゃれにカットする美容師(びようし)・トリマーさん。ペットサロンのある無添加(むてんか)ドッグフードを販売(はんばい)する店「マザーズドッグス」(福岡(ふくおか)市)で、仕事の様子を取材した。

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 「大丈夫(だいじょうぶ)よ」「ちょっと我慢(がまん)してね」。優(やさ)しく声をかけながら、梅崎史緒里(うめざきしおり)さん(22)がはさみを動かしていく。お客さんは、13歳(さい)(人間なら70歳くらい)の雄(おす)のトイプードル。台の上で茶色の毛をチョキチョキと切ってもらう間、おとなしくしていた。

 梅崎さんは、トリマーになって3年目。この仕事を選んだきっかけは、小学2年生のときに飼(か)っていた「モップみたいな」シーズーが、カットされてきれいになったのを見て「まほう使いみたい」と思ったからだそうだ。
 カットだけでなく、シャンプーやつめ切り、耳そうじをするのもトリマーの仕事だ。1匹(ぴき)につき3時間くらいかかり、立ちっぱなしなので、こしがいたくなるという。人間の髪形(かみがた)のように、犬のカットスタイルにもはやりがある。とくに、毛の量が多くアレンジしやすいプードルは種類が多いそうだ。

 言葉を話せない犬を相手にするときに一番気をつけているのは、はさみやバリカンでけがをさせないこと。怖(こわ)がりの犬もいるので、なでたり遊んであげたりして緊張(きんちょう)をほぐしている。「カットが終わって、かわいくなったやんと思うとき、やりがいを感じますね」。梅崎さんは笑顔でそう話した。

 ●捨てられた犬に「家族」を探しています
 「マザーズドッグス」には、トリマーが手入れをするサロンのほかに犬を預(あず)かるホテルもある。また、犬の「里親」を探(さが)す活動もしている。
 飼(か)い主に捨(す)てられたり、迷子(まいご)になったりした犬や猫(ねこ)は、保健所(ほけんじょ)に連れて行かれ、だれも迎(むか)えに来なければ殺されてしまう。2011年度には、全国で約17万匹(びき)が殺処分(さつしょぶん)された(環境省統計(かんきょうしょうとうけい))。
 店では保健所から犬を引き取り、新しい飼い主を募集(ぼしゅう)している。今は2匹の世話をしているが、「大きい雑種の犬はなかなか引き取り手が決まりません」と木戸紘子(きどひろこ)店長。
 木戸店長は「犬たちは15年くらいの短い時間しか生きられない。犬を飼うときは、かわいいという気持ちだけではだめ。15年先を考えてほしい」とうったえていた。

 ●わキャッタ!メモ
 ★トリマーになるには 専門(せんもん)学校に2、3年通い、カットの仕方や何百という犬の種類、進化の歴史、食べ物などについて学ぶ。資格(しかく)はいらない。店によっても違(ちが)うが、新人のトリマーはシャンプーやつめ切りなどの下準備(したじゅんび)を担当(たんとう)し、慣(な)れてきたらカットを受け持つようになることが多い。向いているのは、犬が好きなことはもちろん、長時間立ったままなので「忍耐力(にんたいりょく)がある人」(木戸店長)や「カットのセンスがある人」(梅崎さん)。

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=2013/06/08付 西日本新聞朝刊=

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